主な検査機器と検査のご紹介

放射線科業務風景
放射線科業務風景

一般撮影(2部屋)

一般撮影室胸部・腹部・骨や関節など、全身のさまざまな部位のX線撮影を行います。当院の一般撮影装置は、最新のFPD(検出器)を用いてるため、少ないX線でコントラストや鮮鋭度の優れた画像を得ることができます。撮影室は2部屋あり、一般撮影室1には、骨密度検査装置を併設しています。一般撮影室2では、全脊椎撮影や全下肢撮影も行います。検査室特有の撮影方法や緊急を要する場合など、撮影の順番が前後することがありますが、ご了承ください。
検査時は、検査の部位により、金具やシップ等の画像の妨げとなる物は外し、また洋服の重なりや模様も画質向上により画像の妨げとなるため、検査着への着替えをお願いすることがあります。また、目的によりギブス・コルセット等の着脱を確認して撮影を行いますのでご協力ください。

マンモグラフィ(乳房)撮影

マンモグラフィ当院のマンモグラフィ検査は、「マンモグラフィ精度管理中央委員会」の評価認定を受けた医師と放射線技師により精度と質の高い画像診断を目指しています。撮影は、マンモグラフィ撮影認定を取得した女性技師が担当します。乳腺と腫瘤のわずかな違いが分かるように、できるだけ乳房全てを撮影台に載せ、乳腺をひろげ、圧迫板で固定して撮影を行います。装置はトモシンセシスという特殊機能も装備したFPD搭載の乳房撮影装置を2017年3月に導入しました。トモシンセシスとは3Dマンモグラフィとも呼ばれ、厚みのある乳房を薄く分割して撮影を行います。乳腺の重なりの少ない画像が得られるためより詳しく観察することができます。通常のマンモグラフィ撮影に加えて、精密検査時には目的に応じて、拡大撮影、スポット撮影、トモシンセシス撮影を行います。
日本人女性の乳がんは増え続けています。少しでも気になることがあれば早めの受診をおすすめいたします。

透視撮影装置(2台)

透視撮影装置透視撮影検査は胸部や腹部、骨関節などを透視下でリアルタイムに観察しながら撮影を行います。検査目的によって、検査部位に適した造影剤を使用します。
透視室は2部屋あり、装置は2台ともにFPDという最新の検出装置を用いています。透視および撮影の両方において以前より少ない線量でコントラストおよび鮮鋭度の優れた画像が得られます。透視室1の遠隔撮影装置は、主に整形領域のストレス撮影や血管造影・DSA撮影や外科的処置における造影検査、ERCP(内視鏡的膵胆管造影)、胃検診などを行っています。透視室2のCアーム装置は、多方向撮影が可能で高画質な画像を得ることができ、主に消化管の精密検査や胃検診に使用しています。

胃透視(検診)について

放射線科では、胃がんの早期発見と胃がんでの死亡ゼロを目標に住民検診はじめ多くの検診の胃透視を行っています。撮影技師は、「胃がん検診認定技師」を取得、もしくは取得することを目標としています。
胃検診はバリウムという造影剤を飲み、検査台の上でローリングすることで胃の粘膜を洗い流したあとバリウムを薄くつけて、検査台の起倒と呼吸によって、目的とする胃の粘膜が観察できる画像を撮影します。通常、胃は食べた食物を送りだすため、動きます。そのため、写真の画像がボケたり、飲んだバリウムが十二指腸や小腸に流れでて、胃粘膜の観察の妨げとなることがあります。そのことを防ぐため、当院では原則、一時的に胃の動きを止めるお薬を注射して胃透視を行います。検診受診者の負担額はありませんが、緑内障や前立腺肥大、重い心疾患のある方には注射できませんのでご了承ください。
また、当院の透視装置は2台ともFPDという最新の検出器を用いています。今までより少ない放射線で高画質の画像を提供することが可能です。撮影された画像の読影は、過去の胃透視や胃内視鏡検査の画像と比較読影する体制を構築しており、質の高い検診を提供できるように日々努力しています。

CT撮影装置

CT撮影CT検査は、移動する寝台に寝ていただき、全身の「輪切り(横断面)」の画像をX線で撮影する検査です。1度の撮影データから、多方向の画像や3D画像を再構成することができます。当院の装置は、被ばくを低減する機能(逐次近似応用再構成+フルデジタルX線検出器)を搭載した64列マルチスライスCTです。少ない線量で短時間撮影が行えます。息止めが必要な検査においても短い息止め時間で撮影できます。また、スライス横断面は1mm以下で撮影し、WS(ワークステーション)を用いて、目的に合わせた詳細な3D画像の作成等を行っています。また、金属アーチファクト低減機能も搭載した装置のため、金属部分とその周囲の情報も観察することができる画像を提供します。検査の目的によっては、造影剤という薬を静脈注射して検査を行うこともあります。

放射線科医による読影を行っています

当院では放射線科医が常勤しており、より早く正確な画像診断が出来ます。
CT検査では1mm単位の画像をおよそ600枚から1500枚読影し、皆様の受けた検査結果を主治医へ伝えています。
読影する量も多いことと超音波検査も担当していることから、検査結果がでるまでにお時間をいただきますがご了承ください。

骨密度検査装置

骨密度検査装置骨密度検査は骨の中にあるカルシウムなどの量(骨量)を測り、骨の強さを調べます。当院の骨密度測定は異なる2種類のX線を用いて測定するDEXA法を用いています。DEXA法は、現在、最も信頼性が高い測定方法です。測定は骨折しやすい腰椎と大腿骨頸部で行います。骨粗鬆症における精密検査として、骨折の危険予測を把握するためやその経過観察等に有用な検査です。骨粗鬆症は骨の強度が低下し、骨折の危険性が高くなる病気です。一般的に、骨の強度は骨量あるいは骨密度が70%、骨質が30%影響すると言われています。骨粗鬆症による骨折を未然に防ぐことにより、生活水準の低下を防ぐことができます。


MRI検査

2018年3月に1.5テスラのMRI装置を導入しました。

MRIMRI検査は、磁石の力と電波を使い、身体の内部の様子を画像化します。いろいろな方向から体の断面を撮像することでき、脳や脊髄、血管、上腹部、前立腺や卵巣などの下腹部、筋肉、関節(靭帯や軟骨)などの詳細な情報を得ることができます。X線を使用しないため、放射線被ばくのない非侵襲的な検査ですが、強力な磁場と電波を利用した検査のため、検査中は大きな音などが発生します。検査は、筒型の装置の中に寝ていただくだけで痛みなども伴いませんが、検査部位によってうつぶせや数秒間の息止めを繰り返すなどがあります。また、目的により造影剤という薬を静脈注射することもあります。検査時間は、検査目的や検査部位により異なります。10分ほどのCT検査とは異なり、MRI検査は約30分から1時間の検査時間を要します。動きに弱い検査なため、撮像中は動かないようにご協力お願いします。

※当院では心臓ペースメーカー、刺激電極が体内に埋め込まれている方のMRI検査は行っていません。また、脳動脈クリップ、ステント、体内に止血クリップ等の手術歴のある方は、手術の時期によっては検査を受けることができません。人工関節や体内にその他金属等がある方は注意が必要なため、必ずスタッフに申告してください。また、当院のMRI装置は通常装置よりも筒形のトンネル部分が広く開口しているため、閉所恐怖症の方も検査が受けやすくなっています。検査は、それぞれ得意とする部位や不得意とする部位等があり、症状や疑われる疾患に適した検査機器を用いて検査を行っています。